セカンドオピニオンとしてのご相談

本日、セミナーを受講された方が個別相談に来所されました。

普段は税理士の先生に確定申告をお願いしているけど、

あまり不動産に強くなさそうとのことで、

セカンドオピニオンを考えられたそうです。

今回の相談内容は多くの方に該当する場合があると思いますので、

守秘義務に引っかからない範囲でご紹介します。

①配偶者に対する青色事業専従者給与の支払いの検討

 配偶者に対して給与を支払うことは節税として有効なのか?

 →有効です。

  配偶者控除は38万円ですが、専従者給与であれば8万円×12か月=96万円を経費として

  処理することができます。つまり96万円-38万円=58万円は控除が増えるということになります。

  ※ちゃんと配偶者の方が業務に従事することは前提です。

②小規模企業共済は節税に役立つそうだが、デメリットは?

 小規模企業共済は所得税も節税でき、将来の相続時には退職金の非課税が活用できる

 地主オーナーの方にとってはメリットしかない制度です。

 しかし、デメリットがあります。

 それは短期解約をした場合に戻ってくる金額が元本割れするという点です。

 15年かけていても88%しか戻ってこないようです。

 だから出口をしっかり考えて加入するかどうかを決める必要があります。

 ちなみに15年加入しており、かつ年齢が65歳以上の場合には老齢給付という形で、

 退職金扱いで受給することができます。

 また、所有不動産をすべて売却する場合には、廃業として取り扱われますので、

 これについても退職事由として取り扱われるそうです。

③減価償却の計算に間違いがないか

 減価償却費の計算を手計算している場合には時々間違いがあります。

 税金が戻ってくる間違いがあれば、逆におさめなければいけない間違いも見受けられます。

 これについてチェックしてほしいとのことだったのですが、一般的には税理士も

 システムで計算をしているので、大きな間違いは見つかりません。

 ただこのご相談者の方の場合には、建物の耐用年数が間違っておりました。

 建物は柱が何か、用途は何かによって耐用年数が定められています。

 例えば居住用で柱は金属造り、肉厚3ミリ超4ミリ以下の場合には27年です。

 今回のご相談者の方もこのタイプだったのですが、30年で償却されていました。

 実は平成10年に耐用年数の改正があり、30年から27年に改正になっていたのです。

 本当であればそこから27年に変更しなければいけないのですが、

 失念していたということでした。

 耐用年数は税理士事務所もあまり得意ではありません。

 私も前職時代はよくわかっていなかったです。

④不動産を今、売却したほうが良いか将来売却したほうがいいか

 これについてはよくあるご相談ですが、非常に難しいご相談です。

 未来の景気は誰もわからないからです。

 ただ税金の計算の仕組みは大きくは変わりませんので、

 答えられる範囲でお答えしています。

 この時にご注意いただきたいのは、アパートが建っているときに売却すれば

 収益還元法により時価査定がされ、更地の時には、近隣相場の坪単価に面積をかけて

 計算するということです。

 アパートの購入者は投資家です。

 投資家は資金を多く持っていないため、銀行から融資を受けます。

 銀行が融資をするときにその物件がしっかりと回っていくかで評価します。

 つまり利回りという考え方が主流になってくるのです。

 一方で更地の場合には、事業者や自宅建築を考えている方など様々です。

 自宅購入者の場合には住宅ローンの審査になりますので、

 購入者の所得状況でいくらまで融資が受けられるかで融資金額が決まってきます。

 所得層は低所得から高所得まで様々のため、場所によってはかなり

 高い金額で取引されます。

 このように一口に不動産売却としてもいつ売るかと誰に売るかで、

 安くなったり高くなったりしますので、

 この点は注意をしていただきたいところです。

 

 H30.6.27 税理士 高島聖也

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