黒字倒産対策としての法人化【福岡・税理士】

税理士の高島です。

以前、貸借対照表から見る黒字倒産リスク

という記事を書きました。

実は相続税対策でRCマンションを建てた

という方で、

自己資金が少ないという方は、

途中で資金が回らなくなるという

リスクがあります。

これは、建物の耐用年数47年に対して、

借入金返済期間が35年と

短いことに原因があるということでした。

このマンション相続対策は、納税をして

所得税を納めていくことが

セットの計画であるということを

建てるときに知っておく必要

があるのです。

では、自己資金が少ないにも関わらず、

営業マンの勧めで

RCマンションを建ててしまったという方は

どうすればいいのでしょう。

このようなお客様からご相談を受けて

お手伝いした事例で

とても喜ばれたのが、

法人を活用した資金改善です。

個人で所有している不動産を会社に

売却する際には、

時価で売却をすること必要があります。

実務上この時価については、

簿価を使用してよいという

のが通例になっています。

RCマンションの返済が一番きつい

返済25年~35年の時に、

簿価でマンションを法人に移すことを

検討したとします。

すると、簿価の方が借入金残高より

高くなっているというケースがあります。

つまり、帳簿上では資産>負債と

なっているのです。

しかし、お金がないという状態です。

このような不動産を会社に売却するのは

非常に簡単です。

銀行に相談にいき、

「会社を設立します。個人の不動産について建物を

簿価で買い取るので融資をお願いします。」

と言えばいいのです。

もちろん銀行審査はありますが、

担保評価がしっかりある

不動産であれば銀行は積極的に相談に

乗ってくれます。

この時に重要になるのが返済期間です。

実は、銀行の貸し出しのルールがあって

新築のRCマンションについては

MAXでも35年が融資期間ということが

決まっています。

返済が厳しいので、融資期間を延ばそうとすると

「○○さんの銀行評価がマイナスになるので、

やめた方がいいです」という話になります。

これが、先ほどから説明している新設した法人に

簿価で売却する。

個人から新設した法人に借換をするような

イメージなのですが、

この場合には状況が変わってきます。

銀行ルールで中古不動産に対する融資の期間は

中古耐用年数や残存耐用年数

ということになっています。

仮に築30年のRCマンションの場合は

中古耐用年数(簡便法)は

(47年-30年)+30年×20%=23年

残存耐用年数

 47年-30年=17年

こちらの年数をベースに新設した法人は

融資期間を決めていくことになります。

もちろん全体的な融資判断や物件担保の状況

も考慮することにはなります。

個人が35年を5年延ばしてくれは、

マイナス評価になるのに、

新設した法人が中古耐用年数で

期間延長することについては、

マイナス評価になりません。

これも銀行の融資の取り組みのルールに

よるものです。

返済年数35年と耐用年数47年よりも

12年短いことによって生じる

黒字倒産リスクに対して、

法人設立により融資期間を延ばす。

このような対策が法人化によって

行うことができます。

もちろん個人で返済が終わっている

不動産について、

法人に売却した場合にも同様の取り扱いが

受けれますので、

個人が資金調達をすることができます。

私のお客様も不動産はたくさん持っているが、

お金はあまり持たないという方がほとんどです。

自分たちにとってどの制度を活用していくかを

正しく判断し、事業継続と事業発展に

役立てていただければと思います。

 令和2年6月17日 税理士 高島聖也

 

 

 

 

 

 

 

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