最近、ハウスメーカー系の企業が新築時にサブリース契約を提案する
ケースが増えてきています。
これは、今後新築物件の供給棟数が減少する中で、管理業務を通じて
安定的な利益を確保していこうという流れの一環と考えられます。
一方で、不動産オーナー様にとっても、空室リスクを軽減し、
安定した収入を得られるという観点から、サブリースに魅力を感じる
ケースは少なくありません。
しかし、ここにきてサブリース契約に関して、いくつかの大きな問題点が
浮き彫りになってきています。
1. 賃料保証期間の短期化
以前のサブリース契約では、賃料の固定期間が10年程度
設けられているケースもありましたが、最近では多くが
「2年更新」となっており、保証期間が非常に短くなってきています。
入居状況が悪ければ、2年ごとの賃料見直しによって保証賃料が
下がる可能性があるため、実質的には一般管理と大きく変わらないので
はないか、という懸念が生じています。
2. 募集賃料と保証賃料の乖離
たとえば、借り上げ賃料を10万円と想定して新築した場合、
サブリース会社はオーナー様に対し9万円で賃料保証を
行うという契約をするケースが多く見られます。
このような場合、入居者募集を10万円で行っていれば整合性が
取れていますが、昨今のインフレや家賃高騰の影響を受け、
10万円の物件を12万円〜13万円で募集するケースも増えています。
これ自体は問題ではありませんが、実際の市場ニーズを無視した
高すぎる募集賃料が設定されると、なかなか入居が決まらないという
事態になります。
その結果として、空室が続けば次の2年後の賃料改定時に、
「入居が決まりませんでしたので、賃料は据え置き、
または引き下げとなります」といった形で、リスクがオーナー様側に
転嫁される可能性があるのです。
3. 市場を無視したプランニング
実際に、あるハウスメーカーが建築したファミリータイプの物件を
新築しました。しかし、この地域はファミリー層にはあまり適さない
立地でした。
全国展開している大手ハウスメーカーでは、
地域特性への理解が不十分なままプランニングを進めてしまうことも
あり、今回もその例に当てはまります。
その結果、建築から1年が経過しても入居がほとんど決まっていない
という実態が明らかになりました。
「大手だから安心」「サブリースだから安心」といった概念は、
以前ほど信頼性が高くなくなってきているのではないかと感じています。
4.まとめ
以前かぼちゃの馬車やスルガ銀行などの不正融資の問題が大問題
になりましたが、これらで被害を受けたオーナーも、情報をしっかりと
収集しなかったという点では、反省すべき点があります。
皆様、変化が激しい時代ですから、しっかりと情報を収集
してください。
当事務所にも1月から新入職員が入ったのですが、募集サイトで
めぼしい物件の検索をしていました。
最後に「物件を必ず見に行き、周辺の環境も確認しなさい」
とアドバイスをした次第です。
令和8年2月5日 税理士 高島聖也



