税理士の高島です。
新聞報道や専門誌でも取り上げられていますが、現在、
貸付不動産に関する相続税評価の仕組みを
見直す方向で議論が進められています。
まだ正式決定ではありませんが、不動産オーナーの皆さまにとっては今後の
資産戦略に直結する重要なテーマです。
ここでは、現在示されている検討内容をわかりやすく整理してお伝えします。
検討されている主なポイント
1.相続・贈与前「5年以内」に取得した貸付不動産は取得価額を基準に
相続や贈与の前の一定期間、具体的には過去5年間に購入した貸付不動産について、
その取得価額を評価の基準とする方向が示されています。
短期間で評価額を引き下げるような効果を抑える意図があるものとされています。
2.取得価額に地価変動を反映させる調整
取得時点と課税時点の地価の動きを踏まえ、
安全性を見込んだ一定の調整係数を乗じて評価額を算定する案が出ています。
3.改正前から土地を所有していた場合の新築物件の扱い
被相続人が改正日5年前から保有している土地に建物を建てた場合、
従来の評価方法を適用することで検討されています。
4.不動産の小口化商品は実勢価格で評価する方向
投資家向けに分割されて販売される不動産商品については、
市場で実際に取引される価格(売買実例など)を評価基準とする方向が示されています。
今後の影響と対応
最終的な内容は今後の議論で固まっていきますが、
貸付不動産に関する相続税評価が「より取引価額・実勢価格に近いものへ」
変わっていく流れは確実と考えられます。
関与先の皆さまには、制度変更がどのように影響するか、
今後どのような準備が必要かについて、引き続き丁寧にご説明してまいります。
令和7年12月3日 税理士 高島聖也



