相続税納税資金の借入金は痛み止めと同じ
税理士の髙島です。
令和4年の公示地価が公表されましたが、福岡は全般的に上昇するということに
なりました。
7月に公表される相続税路線価も上昇する運びとなるのでしょう。
資産が増えるとうれしいはずなのに、相続税が増えるのはとても困りますね。
私も関与先の相続税試算をしながら、相続が発生した場合の納税資金準備をどのように
すればいいか日々頭を悩ませております。
相続が発生したら銀行から借りればいいと安易に考えている方も中にはいるのですが、
実はそこには問題があります。
先ず一つ目は、相続税納税資金を借りる場合には、不動産を担保に提供しなければいけないんで、
次の活用時に、融資が受けづらくなるという問題点があります。
二つ目に、相続税納税資金の借入に係る利息は経費にならないという問題点があります。
そして、最後に3つ目は、前回の相続税資金の返済をしたあとに、次の相続税納税資金をためるというのは
困難だということがあります。
この3つの困難性から最終的には、売却するのが一番楽だという結果になる方が多いいのではないでしょうか。
不動産オーナーの倒産というのは公表されていませんが、私の中では、「資産を守りたいと思っていた方が
不動産を売却した」ということは、不動産事業が破綻したということを意味すると考えています。
事業を継続していくためには、楽な方法ではなく、努力が必要なのでしょう。
これは資産を多く持っている方も、その資産規模に合わせた努力が求められる時代になっています。
令和4年4月11日 税理士 髙島聖也